古いマンションは危険?購入前に知るべき「Is値」と後悔しない中古選びの3ステップ

行政書士・FPの相澤和久です。

「これから中古マンションを買おうと思っているけれど、大きな地震が来ても本当に大丈夫かしら……」

「古いマンションって、安くて魅力的だけど耐震性が心配」

大切な資産であり、これからの終の棲家(ついのすみか)となるマイホーム。

シニア世代の皆様やそのご家族にとって、マンションの「頑丈さ」は絶対に妥協できないポイントですよね。

実は、見た目が綺麗にリフォームされていても、目に見えない「建物の骨組みの強さ」が不足している中古マンションは少なくありません 知らずに購入してしまうと、万が一の大地震で被災するだけでなく、将来売りたくても売れない「お荷物資産」になってしまうリスクもあります。

この記事では、中古マンションの耐震性を見極めるための最重要キーワード「Is値(構造耐震指標)」について、専門用語を一切使わずに分かりやすく解説します。「安全なマンション」を正しく見極め、安心してこれからの人生を楽しむための知識を身につけましょう。

目次

中古マンションの耐震性を見極める「Is値」とは?

耐震診断に関する資料を見ていると、「Is値」という言葉を目にすることがあります。

これは一言で言うと、「そのマンションが地震の揺れにどれだけ耐えられるか」を数値化した【建物の筋肉量】のようなものです。

数字が大きければ大きいほど「筋肉質で打たれ強い建物」、小さければ「ひょろひょろで揺れに弱い建物」ということになります。

プロが教える!安心基準の「Is値」

国が定めている安全の目安は「0.6以上」です。

  • 0.6以上: 大地震が来ても、倒壊する危険性が低い(安心!)
  • 0.6未満: 地震の揺れで潰れてしまう危険性がある(要注意!)

中古マンションを検討する際は、不動産会社に「この物件の耐震診断のIs値はいくつですか?」と確認してみることをおすすめします。

「新耐震基準」と「旧耐震基準」の違い

中古マンションを選ぶ上で、もう一つ重要なのが「建てられた年代」です。日本の法律(建築基準法)は、1981年(昭和56年)6月に大きな改正がありました。これより前に建てられたものを「旧耐震」、後ろのものを「新耐震」と呼びます。

この違いを、身近な例えで表にまとめました。

スクロールできます
項目旧耐震基準(1981年5月以前)新耐震基準(1981年6月以降)
例え話「震度5までは傘をさして耐える」レベル「震度7の豪雨(大地震)でもカッパを着て耐え抜く」レベル
耐震性の目安震度5程度で倒壊しない(震度6以上は想定外)震度6強〜7の大地震でも倒壊・崩壊しない
購入時のリスク住宅ローン減税などの優遇が受けられない場合がある各種税金の優遇が受けやすく、資産価値が落ちにくい

まずはこの「1981年6月」という境界線だけ覚えておけば間違いありません。

安全な中古マンションを見極める3ステップ

では、具体的にどのようにして安全なマンションを探せばよいのでしょうか。以下の手順で進めてみてください。

STEP
建物の「誕生日(建築確認日)」を確認する

チラシに書かれている「築年月」ではなく、役所に設計図を出した「建築確認日」が1981年6月以降かどうかを確認します。

STEP
管理組合に「耐震診断の記録」を見せてもらう

古いマンション(旧耐震)であっても、後から補強工事をして「Is値0.6以上」をクリアしている優秀な物件もあります。記録があるか不動産会社を通じて確認しましょう。

STEP
修繕積立金が十分に貯まっているか調べる

いくら建物が頑丈でも、将来の修理費用(修繕積立金)が赤字のマンションは危険です。住人のみんなでしっかりお金を蓄えているかチェックします。

購入前に知っておきたい注意点

ここで、シニア世代の皆様に必ず知っておいていただきたい注意点があります。

「見た目が綺麗だから」で選ぶのは絶対にNGです!

古いマンションでも、内装をピカピカにリフォーム(リノベーション)して「新築そっくり」に売り出されている物件がたくさんあります。しかし、お部屋の中がどれだけ綺麗でも、建物の骨組み(Is値)が肝心です。 表面の美しさに惑わされないよう注意してください。

よくある質問(FAQ)

中古マンションの購入や終活を控えたお客様から、よくいただくご質問をまとめました。

古いマンション(旧耐震)は絶対に買ってはいけないのですか?

いいえ、一概にダメとは言えません。旧耐震でも、しっかりと耐震補強工事を行い「Is値0.6以上」を証明できるマンションであれば、立地が良くて価格も安いため、賢い選択肢になります。要は「中身(データ)を確認しているか」が大切です。

万が一、耐震性に問題があるマンションを買ってしまったらどうなりますか?

将来、いざ老人ホームへの入居資金にするために「売りたい」と思ったとき、買い手がつかなかったり、大暴落したりするリスクがあります。また、お子様へ相続させる際にも「負の遺産」になってしまう可能性があります。

不動産会社に専門的な質問をするのが少し怖いのですが……。

ご安心ください。一般の方が難しい法律や建築の言葉を交渉するのは大変です。当事務所のような行政書士・FP(お金と法律の専門家)が、あなたの味方となって不動産会社との間に入り、書類のチェックや資金計画のお手伝いをいたします。

結びに:おうち選びには「タイムリミット」があります

マンション選びは、単なる「買い物」ではなく、これからの人生を豊かに、そして安全に過ごすための「基盤づくり」です。

しかし、こうした大きなお買い物や、将来の相続を見据えた住み替えには「健康なうちしかできない」というタイムリミット(緊急性)があります。

人は誰しも、年齢を重ねるごとに認知症などのリスクが高まります。もし判断能力が不十分になってしまうと、法律上、マンションの購入契約を結ぶことも、今のご自宅を売却することも、銀行からお金を動かすこともできなくなってしまうのです。

「まだ大丈夫」と思っている今こそ、安心して暮らせる住まいと、将来のご家族への資産引き継ぎについて真剣に考えるベストタイミングです。

「このマンション、本当に買って大丈夫かしら?」 「将来の相続まで見据えて、資金計画を一緒に考えてほしい」

少しでも不安や疑問があれば、手遅れになって後悔する前に、いつでもお気軽にご相談ください。あなたの街の身近な専門家として、最初から最後まで分かりやすくサポートいたします。

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