中古マンション購入で後悔しない!修繕積立金不足を見抜く「プロのチェック法」

行政書士・FPの相澤和久です。

「念願のマイホームとして中古マンションを検討しているけれど、将来の管理費や修繕金がガバッと上がったらどうしよう……」

そんな不安を抱えていませんか?

ここ最近、新聞やニュースでも「マンションの修繕積立金が足りない」という話題が大きく取り上げられています。中には、資金不足を補うために積立金を一気に3倍近く値上げせざるを得ないケースや、工事ができずに建物の価値がガクッと落ちてしまう深刻なケースも。

不動産会社からは「長期修繕計画書があるから大丈夫ですよ」と言われても、難しい数字ばかりの書類を一般の方が読み解くのは本当に大変なことです。不動産会社とは違う「買い手側の味方」としてのセカンドオピニオンが今、求められています。

そこで今回は、私(相澤)がお客様へアドバイスする際に実際に使っている「失敗しないための2つのチェックポイント」を、専門用語を使わずに分かりやすくお伝えします。

目次

ポイント1:マンションの「2つのサイフ」をチェックする

マンションの家計簿(会計資料)には、大きく分けて「管理費」と「修繕積立金」という2つのサイフがあります。それぞれのサイフの収支を見るのが第一歩です。

マンションにある「2つのサイフ」の役割
  • 管理費のサイフ: 毎日のゴミ出しやエントランスの清掃、電気代など「普段の生活」に使うお金
  • 修繕積立金のサイフ: 10年〜12年に一度行う「大規模な修繕工事(外壁塗装や屋上の防水など)」のために貯めるお金

「毎月の管理費が妙に安い…」に隠されたカラクリ

周辺のマンションに比べて、管理費が安すぎる物件に出会うことがあります。「お得でラッキー!」と飛びつくのは禁物です。

実は、住民(組合員)から集める管理費のほかに、駐車場代や看板の広告収入といった「その他の収入」でやりくりしているケースがあります。

もし「その他の収入」が入ることを前提にしていると、空き駐車場が増えるなどして収入が途絶えた場合、集めている管理費だけでは足りなくなってしまいます。そうなると、「急に管理費が値上げされて生活を圧迫する…」なんていう事態にもなりかねません。

だからこそ、目先の安さに惑わされず、将来の計画まで見通す必要があるのです。

ポイント2:公的なシミュレーションツールで将来を予測する

先ほど「管理費のサイフが苦しくなる」というお話をしましたが、これが実は、もう一つの大事なサイフである「修繕積立金」に直撃します。

というのも、これまでは駐車場代などの「その他の収入」のおかげで管理費のサイフに余裕があり、「余った分を、修繕積立金のサイフへボーナスのように回す」という良い流れができていたマンションが多いからです。だからこそ、今までは順調にお金が貯まってきたわけですね。

しかし、もし駐車場の空きが増えて管理費のサイフ自体がカツカツになってしまうと、どうなるでしょうか?

【ここが落とし穴!】 管理費の穴埋めに追われ、これまでのように「修繕積立金へのボーナス(振替)」が一切できなくなってしまいます。 その結果、修繕積立金が貯まるスピードがガクンと落ちてしまい、将来いざ工事という時に「お金が足りない!」という事態を招いてしまうのです。

「今は順調にお金があるように見えるけれど、この先も同じスピードで貯まっていくのかな?」 その疑問を解決するために、私は住宅金融支援機構が提供している「マンションライフサイクルシミュレーション」というプロ用のツールを活用しています。

これは、そのマンションのこれまでのデータをもとに、未来のサイフ事情を予測する道具です。

シミュレーションで分かることの例
  • 「今のペースで貯金していくと、10年後の大規模修繕工事のときに〇〇万円不足する」
  • 「不足を穴埋めするためには、毎月の積立金を〇〇円ずつ値上げしなければならない」

あらかじめ「将来これくらい上がる可能性がある」と分かっていれば、老後の生活設計(資金計画)も立てやすくなり、安心して購入に踏み切れますよね。

購入前に必ず実践したい「安心チェックの流れ」

物件選びで失敗しないために、お申し込み前の具体的なステップを確認しておきましょう。

STEP
資料の取り寄せ

不動産会社に「長期修繕計画書」と「定期総会資料(会計資料)」を請求します。会計資料は複数年の推移を確認することもポイントなので、できれば3期分をもらいましょう。また、大規模修繕工事を含めた、過去の修繕履歴も合わせて確認します。

STEP
2つのサイフの確認

修繕積立金の貯蓄状況、管理費の収支バランスをチェックします。

STEP
将来の予測(シミュレーション)

専門ツールやガイドラインを使い、将来の積立金の推移を想定します。

【ご注意ください】 不動産会社によっては、契約を急ぐあまり、これらの重要な会計資料の開示を渋ったり、「みなさんこれで購入されていますから大丈夫です」と押し切ろうとしたりするケースがあります。少しでも「あれ?」と思ったら、立ち止まる勇気が必要です。

結びに:後悔のない住まい選びのために

大切な資産を守り、これからの人生を安心して過ごすためには、物件の見た目や間取りだけでなく、「マンションの財政状態」を正しく知ることが何より重要です。

公的なデータやシミュレーションを活用すれば、不動産会社の言う通りにするしかないという不安から解放され、ご自身で納得のいく決断ができるようになります。

お急ぎください(タイムリミット)中古マンションは「一点物」です。良い物件ほど早く売れてしまいますが、焦って確認を怠ると、入居後に「こんなはずじゃなかった」と大きな追加負担を背負うことになりかねません。

契約書のハンコを押す前に、まずは一度、書類をお持ちになって私にご相談ください。 不動産会社とは完全に独立した行政書士・FPの立場から、あなたの大切な買い物を全力でサポートいたします。

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