【相談事例】相続人の一人が海外在住。何から始める?書類集めから約4か月で手続きを終えたケース|横浜の行政書士・FP

相談事例:家族の一人が海外に。相続の書類はどうする?

行政書士・FPの相澤和久です。

「相続人の一人が海外に住んでいて、相続の手続きをどう進めればいいのか分からない」

今回は、そんなご相談から始まった事例をご紹介します。

※ご相談者が特定されないよう、内容の一部を変えています。

目次

ご相談の内容

ご相談にいらしたのは、神奈川県内にお住まいの60代の男性です。お父さまが亡くなり、相続人はお母さまと、ご相談者を含むお子さま3人の計4人。そのうちお一人は、ヨーロッパで暮らしています。

財産は、お母さまがお住まいの自宅マンション、3つの銀行の預金、それに保険でした。

海外に住んでいる家族がいると、どんな書類が必要で、どう進めればいいのか分からない。そんなお悩みで、ご相談の時点では、まだ何も手を付けていない状態でした。

最初に確認した2つのこと

手続きの話に入る前に、まず2つのことを確認しました。

STEP
相続人の皆さんの間で、連絡や意思疎通に問題がないか

遺言書がない場合、遺産の分け方は相続人全員の話し合いで決め、その内容を遺産分割協議書にまとめます。協議書には、相続人全員の署名と押印が必要です。

連絡が取りにくい方や、話し合いに参加しにくい事情のある方がいると、それだけで手続きが止まってしまいます。

STEP
ご高齢のお母さまが、ご自身の意思をはっきり示せるか

遺産分割の話し合いは、相続人それぞれが内容を理解し、自分で判断できることが前提です。もし難しい状態であれば、成年後見制度の利用などを考える必要が出てきます。

今回はどちらも問題ありませんでした。自宅マンションは、お母さまがこれからも住み続けられるよう「残す」方向で整理しました。

見えてきた課題:海外に住む相続人の書類

今回いちばんの課題は、海外に住むお子さまの書類でした。

日本国内に住んでいれば、印鑑証明書や住民票は役所で取ることができます。ところが、住所を海外に移していると、日本の印鑑証明書は取れません。

その代わりに、現地の日本大使館・総領事館で、次のような書類を取ってもらうのが一般的です。

海外在住の方が使う主な書類
  • 署名証明(サイン証明):印鑑証明書の代わりに、署名が本人のものであることを証明する書類
  • 在留証明:住民票の代わりに、現地の住所を証明する書類

ただ、大使館・総領事館が住まいから遠い、事前の予約が必要、書類を国際郵便でやり取りするなど、国内だけの相続に比べて時間と手間がかかります。また、銀行や法務局など提出先によって、求められる書類の形式が少しずつ違うこともあります。

そこで、提出先ごとに必要な書類を確認し、海外のお子さまに「何を、どこで、どの形で用意してほしいか」を分かるように整理してお伝えしました。

私が担当したこと

  • 戸籍の収集と、相続関係説明図の作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 3つの銀行の預金解約の手続き

自宅マンションの名義変更(相続登記)は、提携している司法書士におつなぎしました。

結果

自宅マンションはお母さまが相続し、預金は解約したうえで、お子さま3人で等分に分けることになりました。ご相談から手続きが終わるまで、約4か月でした。

この事例から伝えたいこと:遺言があれば、もっとスムーズだった

振り返ると、遺言書があれば、さらにスムーズに進められたと感じています。

先ほどお伝えしたとおり、遺言書がない場合は、相続人全員が遺産分割協議書に署名・押印します。相続人が海外にいると、この「全員の書類をそろえる」ところに、どうしても時間がかかります。

一方、遺言書で「自宅は妻に」「預金はこう分ける」と決めておき、遺言執行者も指定しておけば、遺産分割協議書を作らずに手続きを進められる場合があります。そうなれば、海外の家族に書類を用意してもらう負担を大きく減らせます。(必要な書類は、遺言の内容や提出先によって変わります。)

お子さまやお孫さまが海外で暮らしているご家庭は、今では珍しくありません。「うちは家族の仲がいいから大丈夫」というご家庭でも、書類集めのような実務の部分でつまずくことがあります。

ご家族が元気なうちに遺言を準備しておくことは、残されるご家族への思いやりにもなります。当事務所では「安心遺言作成サポート」として、遺言の文案づくりや、法務局の保管制度の利用についてのアドバイスも行っています。

こんなご相談でも大丈夫です

  • 相続人の中に、海外に住んでいる人がいる
  • 何から始めればいいのか分からない
  • 平日に役所や銀行を回る時間がない
  • 自分の家の場合、遺言を作っておいたほうがいいのか知りたい

初回相談は無料(60分程度)です。オンラインでのご相談にも対応していますので、遠方や海外にお住まいのご家族にも、一緒にお話を聞いていただけます。

費用は、相続人の人数や、金融機関・不動産の件数などによって変わります。お話を伺ったうえで事前にお見積りをお出しし、ご納得いただいてから正式にご依頼いただく流れです。

「まだ何を相談したいのか、自分でも分からない」という段階でも、どうぞお気軽にご連絡ください。

お電話:045-211-5147(私が直接お受けします)

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