【初めてのマンション購入】失敗しない!中古マンションの不動産業者選びの決定版
「物件探しと言えばインターネット」はもはや当たり前の時代。

街の不動産屋さんの店頭広告を探す人は少ないでしょう。

しかし、ネットには情報が溢れすぎていて、気になる物件を見つけても、本当に問い合わせて良いのか不安になることはありませんか?
  • 「聞いたことのない不動産業者だけど、信頼して個人情報を渡しても平気なの?」
  • 「しつこい電話営業をされそうで怖い…」
そんな不安から、「まずは知り合いの不動産業者に相談してみようかな…」と思う方もいるかもしれません。
(もし知り合いがいなければ、CMなどでよく見る大手不動産業者に頼るのが安心でしょうか?)

このように、中古マンション購入においては、「安心して取引を進められること」を重視する方もいれば、「少しでも安く物件を手に入れたい」と考える方もいます。

特に後者のように考える方からは、「ネットで見つけた不動産業者に直接問い合わせても大丈夫ですか?」という質問をよくいただきます。

この記事では、初めて中古マンションを購入する30代から40代の方に向けて、不動産取引の仕組みを分かりやすく解説しながら、安心して物件探しを進めるための不動産業者選びの重要なポイントをお伝えします。

不動産業者を見分けるポイント1:ネット広告の運営主体を知る

インターネットで物件を探す際、目にする不動産情報は大きく分けて2つのタイプがあります。
  • ポータルサイト型(SUUMO、HOME’Sなど)
  • 不動産業者自社サイト型
多くの方が利用するSUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトは、実は不動産業者が運営しているわけではありません。

これらのサイトは、多くの不動産業者に物件情報を掲載する場所を提供し、広告料を得ています。

まるで、駅前の商業施設のようなイメージです。

一方、大手不動産業者のホームページには、自社で取り扱っている物件情報が掲載されています。

中小の不動産業者も自社ホームページを持っていますが、大手のように検索上位に表示されることは少ないため、集客のためにポータルサイトを活用する傾向があります。

つまり、ポータルサイトは「集客力のある駅前の商業施設」、不動産業者の自社サイトは「少し分かりにくい場所にあるけれど、こだわりの商品が並ぶお店」のような関係性と言えるでしょう。

ポータルサイトには多くの不動産業者が物件を掲載しているため、気になる物件をクリックすると、聞いたことのない不動産業者がでてくることも珍しくありません。

そこで、「この不動産業者に直接問い合わせても大丈夫?」という疑問が生じるのです。
(自社サイトで見つけた物件の場合は、運営元が明らかなため、このような疑問は少ないでしょう。)

この疑問を解決するためには、広告を掲載している不動産業者の「取引態様」を理解することが重要です。

不動産業者を見分けるポイント2:仲介手数料の有無と「取引態様」

ポータルサイトに物件情報を掲載できるのは、原則として宅地建物取引業の免許を持った不動産業者のみです。
その中でも、大手か中小かという違いだけでなく、「取引態様」という重要な違いがあります。

不動産広告には必ずこの「取引態様」が記載されており、主に「仲介(媒介)」と「売主」の2種類があります。

「仲介(媒介)」とは、不動産業者が物件の売主から依頼を受けて、買主を探しているケースです。
一方、「売主」と表示されている場合は、その不動産業者自身が物件を所有しており、直接販売しているということです。
この違いは、あなたが物件を購入する際に大きく影響します。

仲介の場合

ポータルサイトを通じて仲介の不動産業者に問い合わせると、物件の内覧や住宅ローンの手続きなどをサポートしてもらい、契約が無事に完了した場合、買主と売主の間を取り持った仲介の不動産業者に対して仲介手数料を支払うことになります。

売主の場合

ポータルサイトを通じて売主の不動産業者に問い合わせ、物件を購入する場合、仲介手数料は発生しません。
なぜなら、あなたは不動産業者から直接物件を購入するため、仲介という行為が発生しないからです。
仲介手数料は物件価格の約3%(税別)ですので、例えば4,000万円の物件であれば120万円(税別)もの費用を抑えることができます。

「売主」の物件に直接問い合わせることは、費用面で大きなメリットがあると言えるでしょう。

ただし、契約前後の交渉やトラブル対応は、仲介業者がいない分、自分自身で行う必要があることは覚えておきましょう。

では、「仲介」の物件の場合、広告を掲載している不動産業者にそのまま問い合わせるのがベストなのでしょうか?

それを理解するためには、仲介会社の役割についてさらに深く知る必要があります。

不動産業者を見分けるポイント3:「物元」と「客付け」を知っておく

取引態様が「仲介」となっている物件を、ポータルサイトで見つけて問い合わせ、無事に契約した場合の関係図をもう一度見てみましょう。
不動産業者の視点で見ると、契約に至るまでには以下のような流れがあります。
  1. 売主が不動産業者に物件の売却を依頼する「媒介契約」を結ぶ
  2. 不動産業者は媒介契約に基づき、ポータルサイトなどに広告を掲載する
  3. 広告を見た買主から問い合わせを受ける
  4. 買主は不動産業者のサポートを受けながら、物件の内覧や住宅ローンの事前審査などを行う
  5. 買主と不動産業者の間で「媒介契約」を結ぶ
  6. 売主と買主の間で「売買契約」を結ぶ
ここで注目していただきたいのは、1と5にあるように、売主と買主はそれぞれ不動産業者と「媒介契約」を結ぶということです。

一つの仲介業者が売主と買主の両方と媒介契約を結び、売買契約を成立させることを「両手取引」と呼びます。
この場合、不動産業者は売主と買主の両方から仲介手数料を受け取ることができます。

一方、もしあなたがポータルサイトで物件を見つけ、掲載している不動産業者ではなく、別の不動産業者に購入のサポートを依頼した場合はどうなるでしょうか?

この場合、ポータルサイトに掲載している不動産業者と、あなたが依頼した不動産業者の2社が関わることになります。
あなた(買主)と媒介契約を結び、購入の手続きをサポートする不動産業者を「客付(きゃくづけ)」、売主と媒介契約を結び、物件情報を管理している不動産業者を「物元(ぶつもと)」と言います。

この場合、客付はあなたから仲介手数料を受け取り、物元は売主から仲介手数料を受け取ります。
このように、一つの取引で不動産業者が片方の当事者からしか手数料を受け取れない場合を「片手取引」と呼びます。

両手取引でも片手取引でも、不動産業者が間に入り、売買契約は売主と買主の間で行われることに変わりはありません。

では、買主であるあなたにとって、両手取引と片手取引で何か違いはあるのでしょうか?

信頼できる不動産業者を選ぶことが大切であることはもちろんですが、実はどちらの不動産業者を選ぶかによって、物件購入の進みやすさに影響が出る可能性があるのです。

不動産業者を見分けるポイント4:どうしても欲しい物件なら「物元」の不動産業者へ

もし、同じタイミングで2組のお客様から購入の申し込みがあった場合、どうなるでしょうか?

物件は一つしかありませんので、どちらかの買主を優先して手続きを進めることになります。
1組はポータルサイトから直接問い合わせてきたお客様(物元の顧客・図の左側)。

もう1組は別の不動産業者(客付)を通して申し込んできたお客様(図の右側)。

物元の不動産業者からすると、どちらの顧客と契約しても事務的な手間は大きく変わりません。

しかし、得られる仲介手数料は異なります。

両手取引になるか片手取引になるかの違いは、会社の収益に大きく影響します。

もしあなたが物元の不動産業者の立場だったら、どちらのお客様を優先したいと思うでしょうか?

会社の利益を考えれば、自社の顧客(直接問い合わせてきたお客様)を優先するのが自然な判断と言えるでしょう。

つまり、どうしても欲しい物件がある場合は、その物件を最初に扱っている「物元」の不動産業者に直接問い合わせる方が、購入できる可能性が高まる、というのが不動産業界の暗黙のルールとも言えます。

物元が必ずしも有名な大手不動産業者とは限りませんが、物件情報に記載されている不動産業者が「仲介」であり、聞いたことのない会社だったとしても、気になる物件であれば一度問い合わせてみることをお勧めします。

まとめ:賢く不動産業者を選び、理想の住まいを手に入れよう

今回の内容をまとめると、中古マンション購入で失敗しないための不動産業者選びのポイントは以下の通りです。
  • 売主が不動産業者の場合は、仲介手数料がかからないため、直接問い合わせるのがお得。
  • 仲介の物件でどうしても欲しい場合は、「物元」の不動産業者に問い合わせることで、購入の優先順位が高くなる可能性がある。
  • ポータルサイトに掲載されている不動産業者は様々なので、信頼できるかどうかを慎重に見極めることが重要。
もし、気になる物件の物元の不動産業者が、あまり聞いたことのない会社で不安を感じる場合は、第三者の専門家に相談することも有効な手段です。

不動産取引の仕組みや注意点についてアドバイスを受けることで、安心して取引を進めることができます。

もし、中古マンションの購入についてさらに詳しく知りたい、信頼できる不動産業者の選び方について相談したいという方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。