マンション売却のチラシ、本当に買いたい人がいる?
マンションに住んでいると、不動産会社のチラシ・DMが毎日のようにポストに投函されているのではないでしょうか?
多くのチラシには「買いたい人がいます!」や「この条件で探しています!」と書かれており、売却を考えている人に対して問い合わせを促す内容になっています。
不動産業界では、こうしたチラシを「求むチラシ」と呼ぶこともあります。
チラシ・DM配布には賛否両論ありますが、一向に減らないことを考えると、一定の費用対効果がある営業手法であることがうかがえます。
では、実際に不動産会社に査定を依頼すると、どのような価格が提示されるのでしょうか?
本当に「適正な価格」が提示されているのか、不動産査定の裏側を解説します。
不動産の無料査定の目的は「売却依頼を獲得すること」
不動産会社の営業担当者が査定価格を出す目的は、単に「適正価格を伝えること」ではありません。
実際の目的は、売主から売却の依頼(媒介契約)を獲得することです。
売却査定を依頼する売主の多くは、2~3社の不動産会社に声をかけ、査定価格を比較します。
そのため、不動産会社としては、他社よりも少しでも魅力的な価格を提示しないと、売却依頼を獲得できません。
そこで、営業担当者は「売れる価格」ではなく、「売主が売ってもいいと思う価格」を提示する傾向があります。
査定価格は3種類?営業担当が出す3つの見積もり
私が不動産会社の営業職だった頃、指導してくれた先輩は、査定価格を決める際に次のような3通りの準備をしていました。
- 市場価格に基づいた適正価格(実際に売れそうな価格)
- やや高めの査定価格(売主が納得しやすい価格)
- さらに高めの査定価格(媒介契約を獲得しやすい価格)
売主の反応を見ながら、どの価格を提示するか決めるのです。
つまり、査定価格とは、必ずしも市場価格ではなく、売主に媒介契約を結んでもらうための戦略的な価格である場合が多いのです。
不動産会社にとっての「商品」は売却物件
ここで、不動産会社のビジネスモデルを理解しておきましょう。
不動産会社が収益を得る方法は、大きく分けて2つあります。
- 売主から仲介手数料を得る(売却仲介)
- 買主から仲介手数料を得る(購入仲介)
不動産会社にとって、売り物件は「商品」と同じです。売却物件がなければ、ビジネスが成り立ちません。
そのため、「多少高くても売却依頼を獲得し、後から価格を調整して売る」という手法が一般的に用いられます。
媒介契約後に価格を下げるのが一般的な流れ
不動産会社との媒介契約は3カ月が基本です。
この期間内に売れなければ、契約を更新するか、売却を取りやめるかの選択をすることになります。
多くのケースでは、価格を下げることを営業担当者から提案されるでしょう。
よくある流れとしては、
- 最初は高めの査定価格で契約を獲得
- 数カ月経っても売れなければ、価格を下げるよう提案
- 売主が根負けして価格を下げる
「最初に提示された価格で売れると思っていたのに…」と感じる売主も少なくありません。
しかし、営業担当者にとっては、最初に売却依頼を獲得することが最優先。後で価格を調整するのは、想定内の流れなのです。
「高めの査定価格」に騙されないためには?
売主としては、「高く売りたい」という気持ちがあるのは当然です。
しかし、不動産会社の査定価格は、その心理を利用した「戦略的な価格」になっている場合が多いことを知っておくべきです。
査定を依頼する際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 複数の不動産会社に査定を依頼し、価格を比較する
- 「なぜこの査定価格なのか?」の根拠を確認する
- 売却実績のある会社を選ぶ(過去の販売事例をチェック)
- 安易に高い査定価格を提示する会社には注意する
また、売却期間に余裕がある場合は、相場より少し高めの価格でスタートし、状況を見ながら価格調整するのが理想的です。
まとめ:不動産売却は「査定価格のカラクリ」を理解することが大切
不動産会社の査定価格は、必ずしも市場価格とは限りません。
多くの場合、媒介契約を獲得するために高めの価格が提示されることが多いのです。
- 査定価格 = 実際に売れる価格ではない
- 媒介契約後に価格を下げる提案があるのが一般的
- 売主としては、査定の根拠をしっかり確認することが重要
不動産売却を成功させるためには、「査定価格のカラクリ」を理解し、適切な売却戦略を立てることが大切です。
まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、情報をしっかり比較することから始めましょう。